ギリシャ・ローマ時代のビール
古代ギリシャ・ローマ時代は、ビールの記述がほとんど無く、ワインが中心になります。
クレタ島ではエジプトから輸入されたビールが飲まれていた形跡がありますが、詳しいことは公にはあまりわかっていないようです。
ギリシャ時代、ビールは一般にはあまり良いものとは思われていなかったようで、飲むと病気になるというような迷信もありました。おおむねビールは文化の中心部ではなく、周辺のスラブ人やケルト人の飲み物だったと言えるでしょう。
またギリシャ・ローマでは気候の影響で麦類の生育があまり良好ではなく、逆にぶどうが生育したので、ブドウ酒としてのワインの醸造が中心になりました。
ギリシャ悲劇で有名な詩人ソフォクレスが、「ギリシャ本土のビールを、我々は飲みたいと思わない」と書いていることからも、あまり上等なビールができなかったことが推察されます。
ベルギービール
ヨーロッパ各国から日本国内に様々なビールが輸入されています。ビールの本場ドイツやエールの国イギリスとならんで、最近特に目立っているビールはベルギーのビールでしょう。
ベルギーは歴史上、ヨーロッパの各国の領地を転々として、現在では北半分がオランダ語圏、南半分がフランス語圏という国ですが、ビールのタイプは非常にたくさんあり、また日本にも多く輸入されています。
特に瓶詰めだけでなく生ビールがたくさん出回っている「ヒューガルデン」。かつてこの地方では小麦で作っていた「ホワイトビール」がたくさんあったのですが、「ピルスナータイプ」のラガービールにその地位を奪われ、1957年には、完全になくなりました。
しかし、それを憂いた若者が数年後に醸造設備を買い取り、見事に現在の「ヒューガルデンホワイト」を復活。ベルギー版の「とりあえずビール」の位置付けを占めるまでになりました。